医師不足については、社会的問題として議論が起こっているため、まだ前進の余地があるかもしれないが、看護師不足の実情は未だ広く周知されていない。厚生労働省医政局看護課が看護職は「不足している」との明言を避け「不足感はある」と言い続けているのは、これまで医師の過重労働を見過ごし医師不足を認めてこなかった国の姿勢と変わらない。なぜなら、看護師不足を認め解決しようとすると、その不足分の規模は医師との比ではないからだ。全国の医師数約28万人。これに対して就労看護職(保健師、助産師、看護師、准看護師)は09年時点で、全国で約143万3700人。病院への勤務に限ると約89万2000人となる。図に示されるように、毎年約4万6000人もの新卒の看護師が送り出されるが、全体で10万人程度が離職するため純増は1万3000人にとどまる。その他に免許を持ちながら看護職として働いていない「潜在看護職」は厚労省の01年推計では約55万人、同志社大学の推計では08年で同65万人と言われ、免許取得者全体の3割を占める。つまり、看護師も医師と同様に、「もう限界だ」と次々に医療現場から姿を消しているのが現情だ。
[参考]
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