95年10月12日の全国紙を皮切りに、10誌近い週刊誌にこんな広告を掲載した。「毎日100通単位で寄せられる応募はがきを読んでいると、さすがに気分が暗くなります。へたにコンサルタントなんかに聞くより、お客さんに直接聞いたほうが、よほど役に立つ情報が得られますよ」寄せられた内容は「レジに並んで大勢待っているのに、手の空いている店員が手伝おうとしない」「上下1900円のトレーナー、1回洗ったら糸取れた。2回洗ったら脇に穴空いた。もう買わない」「補正待ちが長く、しかも仕上がりが雑」「Tシャツが1度洗濯しただけで、首のところが伸びてしまった」など、お客が日々不満に思っているユニクロの欠点をきびしく指摘するものが多い。こうした声を分析し、実行できるものから改善していこうというわけだ。「いやあ、やってよかったですよ。応募はがきを読んでいるときは、どっと気分が落ちこみましたけど、われわれの現在の到達水準を知るうえで、どうせなら顧客がユニクロをどう見ているのか、直接聞くのがいちばんいいと考えたのです。1万通前後の応募がありましたが、ほとんどは漠然と気づいていたことでした。しかし、実際に「ここが悪い」「こう直してほしい」といわれてみないと実感できないものですし、直さないものです。たとえば「B級品じゃないか』と指摘された商品は、すべて返金・回収して調べてみたのですが、たしかに悪いものもありますが、そうでないものもある。商品を改善していこうとするときの前提は、どの商品の、どこが、どの程度悪いのかをつかむ必要がありますよね。そのうえで、できることとできないことをはっきりさせて、初めて具体的に改善していくことができる。商品以外の問題点でも同じでしょう。これから分析を進め、具体的に改善していきますが、それで支持率向上につながるかどうかは、実際にやってみて、お客さんの評価を待たないとなんともいえません。今後も3年に1度くらいは、やっていきたいと考えています」